目次
先日、来年度から入社予定の会社からインターネット広告に関する書籍が送られてきたのですが、専門用語がわからな過ぎたので、一通り調べた結果を書き残します。
ウェブ広告に関する解説が主で、SNS広告に関しては深掘りしていないのでその辺はご留意ください。
用語が多く、また多岐にわたるので今回は
- 主な広告の種類
- 重要な効果指標と課金の種類
- 広告運用のための用語
- アドテクノロジー用語
に分類して掲載します。
とりあえず出現頻度の高い重要な用語は目次に全て掲載し、枝葉の用語はその他の用語として分類ごとにまとめています。
主な広告の種類
リスティング広告(検索連動型広告)
Googleなどの検索エンジンにのせる広告。上位に出てきて広告と書いてあるやつはだいたいこれ。クリック単価が主流。
ディスプレイ広告
ウェブサイトの広告枠に掲載されている広告。クリック単価、インプレッション単価の両方がある。
純広告(予約型広告)
広告主が広告枠を事前に購入して出向する広告。新聞広告などはこれに当たる。
重要な効果指標
インプレッション・クリック・コンバージョンという3つの効果指標は広告の表示・クリック・成果という3つの課金ポイントにそれぞれ対応しています。これら3つを理解すれば広告のシステムに対する理解がかなり深まります。
効果指標
広告効果を定量的に判断・分析するための指標。広告用語の中で略語のほとんどが効果指標ということを理解しておくと頭の整理が付きやすいです。
なんで大事?
- インターネット広告の用語は半分くらいこれ関連
- 費用、効果(収益)などについて考える上で定量的な判断が避けて通れない
インプレッション(Imp)
特定の広告の表示回数のこと。
インプレッション課金
表示回数に応じて課金される課金形態。
なんで大事なの?
- 広告がどれだけユーザーの目にとまっているかの指標になる
- 他の指標(CTRなど)の算出に使う
クリック(Click)
ユーザーが広告にタッチした回数。
クリック課金
クリック数に応じて課金される課金形態。
なんで大事なの?
- 広告がどれだけユーザーに興味を持たれているかの指標になる
- 他の指標(CPCなど)の算出に使う
コンバージョン(CV)
Webサイトにおける最終的な成果のこと。
コンバージョン課金(アフィリエイト)
コンバージョン数に応じて課金される課金形態。
なんで大事なの?
- 広告運用における効果に直結する
- 他の指標(CPAなど)の算出に使う
その他の効果指標
CTR(Click Through Rate、クリック率)
表示された広告がクリックされた割合(Click ÷ Imp)。リスティング広告で3~5%、ディスプレイ広告で0.4~1%くらい。
CVR(Conversion Rate、コンバージョン率)
クリックされた広告に対して実際に買われるなどの成果がでた割合(Conversion ÷ Click)。カテゴリにかなり依存するが10%前後くらい
CPM(Cost Per Mille、インプレッション単価)
1000回の広告表示あたりにかかる広告費用。インプレッション課金型の広告で主に使われる。相場は10円~500円程度。
CPC(Cost Per Click、クリック単価)
1クリック獲得のためにかかる費用(Cost ÷ Click)。クリック課金型の広告で主に使われる。相場はディスプレイ広告だと数円~数百円、リスティング広告だと数十円~数万円。
CPA(Cost Per Action、コンバージョン単価)
コンバージョン(成果)1件にかかる費用(Cost ÷ Conversion)。 コンバージョン課金型(アフィリエイト型)の広告で主に使われる。相場はカテゴリによるが数千円~数万円。
SNS広告に関する指標
CPF(Cost Per Follow)、CPF(Cost Per Fan)、CPV(Cost Per View)など
広告運用のための用語
クリエイティブ
広告として制作されたコンテンツの全て。バナー動画、画像、テキストなど。
広告在庫
今後のある一定期間に予想されるインプレッション数。ちょっとわかりにくいので以下詳細説明
インプレッションの売買
広告の売買はメディアが広告主にインプレッション(広告表示の機会)を売る行為と言い換えられる。
コンバージョン(成果)の数はインプレッション数に比例するので、インプレッションが増えれば広告主はそれだけ収益を得られる。
在庫が余る
上の理論で行くと広告の在庫とはつまりインプレッションの余りということになる。在庫が余った状態とはつまり「インプレッション(広告を表示する機会)がまだあるのに買い手(広告を掲載したい人)がいません」という状況。
広告媒体側からすると、在庫が余っていると収益を得られる機会を失っていることになるため、是が非でも広告を出してほしい。つまり広告枠が安くなる。
在庫が足りない
逆に在庫が足りない状況とは「広告枠の買い手がたくさんいるのにインプレッション(つまり広告枠)が余っていません」という状況。
広告枠はオーディションで売買されるのが一般的なので、買い手が多いと広告枠は高くなる。
たまに逆の意味で使われる
広告在庫という言葉はたまに出す広告(クリエイティブ)の余りという意味で使われることがある。例えば、ゲームなどで動画広告を何度もみると「動画広告の在庫切れで広告を流せません」とでることがある。
これを本来の意味で表現し直すと「動画広告の在庫が余っていて広告を流せません」となるわけだが、ユーザーからすると「???」という感じだと思う。なんで在庫が余ってるのに出せないんだ?となる。そこで、広告を見る側へのわかりやすさを優先してこのような表現にしているのだと思われる。
アドテクノロジー用語
アドテクノロジーとは広告の効率化のためのシステム全般のことです。効果指標ではないですが略語が多くて嫌になります。
アドネットワーク
複数の広告掲載メディア(Webサイト、ブログ、SNSなど)を束ねたディスプレイ広告の配信ネットワークのこと。たとえばGoogle Display Networkに登録するとGmail、ニュースサイト、ブログ、Youtubeなどのさまざまなメディアに対して一挙に広告を出すことができる。
メリット
広告掲載者はアドネットワークサービスに対してクリエイティブ(掲載する画像やテキスト)などを言えば複数のメディアに対して一括して広告配信ができるので楽。
デメリット
媒体のジャンルは選べるが、具体的な媒体は選べないのでブランドイメージを下げるようなサイトにも広告が掲載される可能性がある。
また、複数のアドネットワークを使う場合管理が面倒。
アドエクスチェンジ
複数のアドネットワーク、掲載メディアなどを束ねた広告枠取引市場。ここでの「Exchange」とは交換ではなく取引所という意味です(これを交換だと思っている人のなんと多いことか...)。↓
アドネットワークとアドエクスチェンジの違い
株式市場からのアナロジーで考えるとわかりやすい。すなわち、アドエクスチェンジが株式市場(東証とか)であるとすると、アドネットワークは株式ブローカー(証券会社)、そして各メディアは各株式会社というふうに理解できる。このような環境だと、たしかにブローカーから直接株を買う人もいるだろうが、大きなシェアを占めるのは株式市場での売買になっていく。
メリット
特定の広告枠に対して入札できる。アドネットワークではネットワーク単位でしか広告を出せなかったのに対し、アドエクスチェンジは広告枠ごとに入札ができる。
アドエクスチェンジの特徴
- インプレッション単位での入札。
- アドネットワークでは課金形式(クリック課金、インプレッション課金など)が統一されていなかったがアドエクスチェンジはインプレッション課金で統一されている。
- アドネットワークの広告在庫を融通しあえる。
- アドエクスチェンジではアドネットワーク同士も広告在庫の売買ができるということ。これにより、在庫(=広告枠)が余っているアドネットワークは他のアドネットワークに対してその在庫を転売することで利益を得られ、市場全体の需要と供給が調整される。
- RTB(Real Time Bitting)と呼ばれるオークション方式によって広告枠の落札者が決まる。
オーディエンスデータターゲティング
ユーザーの属性情報(性別、年齢、国など)や行動履歴(主にCookie)からその人の興味の有りそうな広告を配信する手法。行動履歴はデータエクスチェンジと呼ばれるデータの取引市場で売買される。
DSP
広告主(広告在庫の需要)側の利益最大化のためのプラットフォーム。広告在庫の買付、配信、クリエイティブの分析、入札単価の調整、オーディエンスターゲティングなどのあらゆる最適化を行う。
SSP
メディア(広告在庫の供給)側の収益最大化のためのプラットフォーム。インプレッションがあるごとに最も収益率の高い広告をDSPから選んで配信する。
まとめ
とりあえず今回はここまでです。アクセス解析やSEO用語についてはまた別の記事でまとめるかも。